かんばんは、浩二です。
先日、宇多田ヒカルさんと歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリ氏の対談が行われました。
テーマは「AI」「創造性」「人間の本質」。
その中で、特に印象的だったのはチェスの話です。
■ 技術の競争から、存在の演出へ
かつてチェスは「誰が最も強いか」を競う場でした。
プレイヤーは戦術を磨き、勝敗に人生をかける。そこに価値がありました。
しかし、AIが登場し、人間を上回るようになると状況が変わります。
ハラリ氏:「人間が勝てなくなったことで、チェスプレイヤーは“技術”ではなく“存在”を演じるようになった」
誰が勝つかではなく、“誰がどう在るか”が問われる時代。
この変化は、チェスにとどまらず、私たちの生き方全体にも及んでいるように思います。
■ 協力と競争、その狭間で
私たちはチームで協力することが最善だと、頭では理解しています。
共通の目的を持ち、助け合い、支え合う関係性は、理想そのものです。
けれど現実には、競争の構造が感情や認知に影響を及ぼします。
- 他人と比べられる不安
- 自分の成果が埋もれる焦り
- 出し抜かれるかもしれないという恐れ
そうした心理が、協力を妨げ、孤立を選ばせる空気を生んでしまう。
私たちの行動は、理性よりも環境に左右されやすいのかもしれません。
■ AIが変える「環境の力」
ここに、AIの登場が静かに影響を及ぼしはじめています。
AIが単純作業や情報整理を担い、評価や判断の一部を肩代わりすることで、
人間同士がぶつかる場面が減るのではないか——そんな希望を感じることがあります。
“争わずとも、共にいられる構造”をAIが支えてくれるかもしれない。
しかし同時に、AIが人をデータ化し、能力を数値で見える化することで、
逆に競争が加速するリスクも存在します。
AIは「環境を変える道具」であり、
その道具が“人に優しく使われる”かどうかは、結局、私たち次第なのです。
■ 最後に、問いを。
- あなたは「誰よりも勝つ」ために存在していますか?
- それとも「誰かとともに在る」ことに意味を見出していますか?
- AIが合理性と結果を担う時代、あなたの“人間らしさ”はどこに宿るのでしょうか?
- そして、AIという環境の変化を前に、あなたは何を選びますか?
最強ではなく、演じ方。
効率ではなく、存在感。
競争ではなく、つながり。
AIがもたらすのは「未来」ではなく、「選択の余地」。
私たちは、いまその分岐点に立っているのかもしれません。
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