かんばんは、浩二です。
現場では、天候や納期、工程の都合など、
瞬時の判断を求められる場面が多くあります。
長年この仕事をしていると、経験から「ここはこうすべきだ」と
条件反射のように答えてしまうことがあります。
けれども、一呼吸おく勇気が、結果的に全体を整えることがあります。
ある日、職人から「明日は雨なので、日程を1日ズラせますか?」と相談がありました。
頭の中ではすぐに「この日で終える約束だから、ズラせない」と思い込み、
反射的に「今日中にお願いします」と言いそうになりました。
でも、ふと立ち止まりました。
「本当にそうだろうか? 一度、お客様に確認してみよう」と。
お客様に電話して事情を伝えると、
「明日で大丈夫ですよ」と、あっさり受け入れてくださいました。
その瞬間、ハッとしました。
自分の中に「日程はズラせない」という強い思い込みがあり、
自分自身が正しいと思い込んでいた即答が、
実は場の流れを硬直させていたのかもしれないと。
現場では、スピードや判断力が大切です。
しかし、それ以上に必要なのは、受け取る力だと感じます。
一呼吸おくことで、相手の意図や状況を受け止め、
柔軟な選択肢が生まれます。
判断よりも、「受け取る力」。
即答よりも、「整える間」。
「すぐ答えない」という静かな勇気が、
結果的に現場の流れを整え、人の関係を穏やかにしていく。
最近、その意味を少しずつ実感しています。
最初は意識的に、積み重ねることで、無意識に。

